coffeebreak15’s blog

今までの経験や学んだことなど、思ったことを書いていき残したいと思います。

大学生など就職前の方へ---社会人の給料

1.はじめに
 まだ学生のため、アルバイトしか知らない就業前の方のために、

 一般的な給与・賞与→賃金
 
 の構成を書こうと思います。
 
 私は人事部で、賃金テーブル改定、賞与の支給決定額
 など稟議書を作る職場(グループ)で管理職をしています。
 
2.給与の基本構成(職能資格給、職能給)
 一般的には、職能資格給+役職手当が多いと思います。
 
 アルバイトをしたとき、「時給1000円」と言われる部分が、
 この「職能資格給」部分です。

 これにアルバイトリーダー手当などと上乗せされるのが、
 「役職手当」に当たります。
 
 職能資格給とは、会社で仕事をしていれば、仕事を熟せるように
 なっていくので年齢ごとに増えていきます。
 昇給が毎年あるのもこの部分が加算されていることが多いのです。
 しかし、入社10年とか30歳という年齢で、この部分の昇給が
 止まります。これ以上は、昇格試験を受けるということになります。
 
 新卒で就職をしてから、
  担当3級
  担当2級
  担当1級→昇格試験を受けて主任へ
  主任3級→現場をまとめる主任で部下は10から30名ほど
  主任2級
  主任1級→昇格試験を受けて主事補へ
  主事補3級→ラインをまとめる係長で部下は50から100名ほど
  主事補2級
  主事補1級→昇格試験を受けて主事へ
  主事3級→課・グループをまとめる課長・グループマネージャー
         部下は、100から300名ほど
  主事2級
  主事1級→昇格試験を受けて参事補へ
  参事補2級→部をまとめる副部長(または次長)
  参事補2級→昇格試験を受けて参事へ
  参事2級→部の代表である部長 部下は300から1000名ほど
  参事1級

 と進んでいきます。(本社にあたる管理部署は、課長でも部下は10から
 30名ぐらいです)

 まあ、一般的には、主事2級程度で定年です。
 私もこの程度です。ここから上は、社内でも各部署のエース級が毎年人事考課や
 昇格試験でしのぎを削る狭き門にります。例えれば、針の穴を通す、とでも
 言いましょうか・・・。
 
 上記の通り、ラインをまとめる係長クラスで、小規模会社の社長クラス
 になります。それだけの知識・経験、そして高い統率力など要求されます。
 
 年齢的には、
  担当3級→高卒で18歳
  担当2級→大卒で22歳
  担当1級
  主任3級
  主任2級
  主任1級
  主事補3級→30歳
  主事補2級
  主事補1級
 主事3級→40歳
  主事2級
  主事1級
  参事補2級→50歳
  参事補2級
  参事2級
  参事1級

 こんな感じです。40歳前後で「主事」になれるかで、年収が大きく変わって
 来ます。また、毎年成果を出していけば、早く昇格試験が受けられます。
 (会社も結果を出す社員に沢山給与を出したいので、昇格試験を受ける
  機会を与えます
 
3.給与の基本構成(役職手当)
  役職と職能資格との関係です。
  担当3級
  担当2級
  担当1級
  主任3級→主任
  主任2級→主任
  主任1級→主任
  主事補3級→係長
  主事補2級→係長
  主事補1級→係長
  主事3級→課長・グループマネージャー
  主事2級→課長・グループマネージャー
  主事1級→課長・グループマネージャー
  参事補2級→副部長・次長
  参事補2級→副部長・次長
  参事2級→部長
  参事1級→部長
 
 ちなみに、取締役は、従業員・労働者ではありません
 従業員を退職してから会社と委任契約をしますので・・・。
 年収は、「報酬」となり、うちの会社では人事ではなく秘書室や
 総務部(株主総会を担当するため)が担当します。
 (細かくなるので、参与や執行役など書きていません)
 
4.給与の例
 例えば、大卒で入社すると
 職資格給20万円に交通費やいろいろ会社ごとに手当があると思います。
 まだ役職が無いので基本的には、職能資格給20万円だけです。
 
 それが、昇格試験を受けていき主事補3級となり、組織上ある部署で
 係長が必要となれば、そちらに配属され役職手当が付きます
 主事補になっても配属する組織が無ければ役職手当はありません
 (主任手当が以前ついていれば、何年か主任手当が保証されます)。

 また、主任での必要があれば、主任手当です。資格は主事補で手当ては
 主任ということです。(逆に社内でもエース級となると主事補1級で
 手当が課長という稟議を書く時が何年かに一度あります)
 
 係長クラスとなると多くの部下が付くので、部署からの要請がないと
 配属が難しいのです。昇格しても「あの人は人を使うのが下手」など
 評価されていないと人事が係長として推薦してもその部署が
 受けてくれません
 
 昇格試験をせっかく受かっても、貰い手が無ければ役職手当までは
 つかないのです。

 人をまとめて課・グループの目標を彼・彼女なら
 達成してくれる、
 という高い評価までもらう必要があります。
 
 給与面の例でいうと、次のようなイメージです。
  担当2級(大卒レベル) 職能給20万円
  主任3級         〃 22万円+主任手当3万円
  主任1級         〃 24万円
  主事補3級        〃 25万円+係長手当5万円
  主事補1級        〃 27万円
  主事3級(課長代理)  職能給40万円+課長手当20万円 
  主事2級(課長)     〃 41万円
  主事1級         〃 42万円
 
 主事となると職能資格給と役職手当が一気に上がるのは、
 ご存じの通り、労基法上の「管理監督者」になり、
 残業手当が無くなり、休憩・休日も労基法適用外
 となり、まさしく「経営者と一体」となる扱いになるからです。
 年収の目安が1000万円以上となるということです。

  しかし、主事3級は、昇格者を1年間実践で試すので、
 代理扱いとなり、ここで結果を出さないと、課長手当が無くなり、
 残業代が支給されます。
 さらに結果を出さないと、主事補1級に降格です。
 (お試し期間が2年あります。管理職なので結果が全てです。
  その代わり、完全フレックス制度となり、通常の勤務時間中に顔を出して
  帰ってもOKです。通勤費の関係で一日一度は顔を出すというルールです。
  仕事については、会社からスマホが支給されており、24時間365日体制
  です(土日祝、夜中でもたまに電話が鳴り対応します)。
  だから会社の机に座っている必要はありません。
  ただし、部下との信頼関係ができていないと部下が仕事をしてくれないので
  課の目標が未達で成果が出ず賞与が削られ、数年で降格です。
  管理職の賞与ですが、うちでは会社業績と部目標の達成度で評価されますので
  会社業績が良く自部署の目標を達成していれば1回で数百万円も出ます。
  逆に会社業績が悪く、自部署の目標を達成できなければ、部下の係長より
  低い額となります。結果がすべて。
    まさしく、「会社と一体」です。
 
  管理職となり、数年たてば部下との信頼関係と上司である部長、同じ部の課長
  とも人間関係が出来るので、課長になるまでに溜まっている有給を消化すべく
  連休を回します。嫁さんと調整して一緒に1週間ぐらい海外旅行します。
  2年に1度のペースで連休を取り海外に行ってます。GWやお盆などは避けて
  安い時期に大型連休を自分で取って行きます。良いホテル、良い時間帯の飛行機、
  旅行先が混んでいない、オプションも付けられるなど、安い時期に行った方が
  良いという判断です。
  お土産は大量となり空のスーツケースにも入りきらないので、毎回箱詰めして
  家に郵送してもらいます。プチ爆買い(笑))

  主事昇格試験の合格者は、組織上、課・グループの空きの数
 合格者が決まるため、合格基準に達しても受からないのです。
 (社内の課長以上の組織図を作り、人を当てはめたときに空きとなる数です)
  組織を見直し縮小した年は、最低の1名だけ。
  逆に新事業等で組織が膨らみ課長職が足りなければ、基準に達している
 受験者は全員合格します。

  うちでは、社長交代時に大幅な組織の見直しがあるため、合格者が
 大きく増減します。
  まさしく管理職となるのも会社と一体です。
5.賞与
 この点について、気を付けてほしいのは、○か月支給という、
 文言です。
 
 給料全体に〇か月かけるのではない、というのが一般的です
 
 以前のうちですと、職能資格給に〇か月かけていました。
 つまり役職手当は含まれないのです。
 そのため、大卒で主任3級に上がると、22万円+3万円=25万円
 ×支給月数と勘違いします。入社時に説明しますし、賃金規定も
 社内ネットワークで見れますし、また賞与支払い前に社内通知も出ます。
  これだけしても勘違いするんですよね。
 
 「主任クラス 支給2.1か月」「主任の職能資格給×2.1か月」
 こう書いていても、22万円+3万円=25万円×2.1か月=
 52.5万円と勝手に計算する。
 正解は、22万円×2.1か月=46.2万円です。
 職場の上司に、「6万円ぐらい足りません。私の評価が悪かったの
 ですか?」とか「部署の業績が悪かったのですか?」とか必ず上司が
 質問を受けるそうです。
  毎年、他部署から「また質問された~」と笑って言われます。
  そんなことも一つの要因で、賞与の計算方法を変えたのです。
 
 賃金規定は見れますので、必ず確認しましょう。
 通常は、人事部が管理しています。また、職場にコピーが置いてあるはずです。
 労基法上の義務で、「社員はいつでも見られる状態」にしておかなければ
 ならないからです。
 
 ちなみに、賃金規定=就業規則です。
 賃金規定は、就業規則の「賃金」の項目を取り出し、冊子にしただけで、
 労基法上は、就業規則です。退職金規定や勤怠管理規定も同じ就業規則です。
 
6.最後に
 上記のような賃金については、就職面接の際に、聞く事項です。
 聞きづらければ、就業規則を見してください、でもいいと思います。
 賃金規定は必ずありますので・・・。
 (普通は雇用条件の説明の時に見せますけど・・・)
 
  採用担当が若いと賃金規定が別のため、抜け殻の就業規則を持ってくる
 ことがあるようなので、就業規則とくに賃金規定、というのが良いかも
 知れませんね。(うちでも新人の採用担当が中途採用面接の際に
 やらかしています。就業規則が賃金規定、服務規律規定など別規定となり
 中身がほとんどない就業規則だけを持ってきたらしく「人事として
 勉強不足」と先輩社員に説教されてました)
 
 アルバイトでもそうですが、
  仕事ができる社員に高い給料を支払う
 これは変わりませんので、まず仕事を覚えることです。
  その上で、上司や人事に昇格試験について細かく聞くことです。

  社内での人生設計をするためです。大体40前後で課長になれば
 年収1000万円になる、という具合です。
 
  就職前の皆さん、ぜひ頑張ってください。
 
  定年が見えてきた、おじさん(おじいさん?)より