1,高校1年生の冬から大学受験の基礎力を付ける
高校の偏差値が50台(50~59)の生徒で、2年後大学を受験したい方に向けて書きます。
地方の高校生に向けて書くため、国公立大学の受験が前提です。
(地方の田舎にまともな私立大学などありません。また高校の偏差値が50台ということは大学受験の基準に合わせると偏差値は40台になります)
まずは、成績優秀な勉強仲間を見つけることです。特に、数学と理科が得意な仲間。
その理由①は、不得意部分を聞いてサッサとスケジュールをこなし進めるためです。
自分も得意科目を作り、勉強仲間に必要とされなければなりませんが。
理由②は、定期的に仲間と勉強会をするようにして、自分がだらけるのを防ぐということにあります。自分一人でやると、だらけてしまってスケジュールが遅れたり、苦手な部分が出てきてスケジュールが崩れたりします。
やるべき勉強の順番は、私が以前から書いているように「現代文」からです。現代文重視の勉強法です。偏差値50台の高校生なら、この現代文重視の勉強方法が、やりやすく成果も期待できると思います。
2.現代文(教科書を使って、すでに終わったところももう一度やりましょう)
一単元をじっくり読む。正確に説明できない単語は国語辞典や漢和辞典でしっかり調べる。この手間を省くから、「同じ意味はどれか?」という問題に自信をもって正確に答えられない。
(辞書を引いたら同音異義語や類義語など調べて頭の中に入れておくことです。そうしないと答案を記述式で書くので言葉が出てこないことになりますよ)
指示語は、一つ一つ内容を教科書ガイドで確認する。これも出題されるので、曖昧にしない。
接続詞に注意しながら読み進める。主語述語、修飾語に気をつけながら、精読する。
読み終えたら、再度「速読」して、要点を頭でまとめる。作者は何が言いたいのか!
(2次試験ではこの要約やポイントが問われます。そして配点が高いというのが一般的です。だから、この勉強法は有益なのです)
まとまったら、ノートに「一気に」手書きする。悩みながら書かない。悩みながら書いた文章は、読み手にとって理解しづらい文章になる。
要約した文章と、教科書ガイドの要約を見比べる。ポイントがずれていないかを確認する。要約文章を勉強仲間に読んでもらい、読みやすいか確認してもらう。読み手が読みやすくなければ、高得点が取れない。
(せっかく要約やポイントがわかったのに、採点者が読みづらい汚い字を書いたり、誤字脱字なので減点されるのはもったいないですよ。配点が20点あるのに結局2、3点しかもらえないことになります。わかったのならば20点満点取れるように、 採点者が読みやすい「字」で誤字脱字なく、読みやすい「文章」を書くということです)
この勉強法は、最初時間がかかる。しかし、国語の予習としてしていれば、そのうち慣れてスピードも上がる(5単元ぐらいして「要約」に慣れてきたら、時間を決めて書くようにする。大学受験に活かすため、速読→要約は、素早く!)。
偏差値65以上の高校の生徒は、この程度はサクサク終わらせている。
3.現代文の勉強方法の応用
(1)英語(教科書を使って、すでに終わったところももう一度やりましょう)
基本は、「現代文の勉強方法」と同じ。
一文を「句」に区切り、例えば、名詞句は[ ]で囲い、形容詞句は( )で囲い、副詞句は〈 〉囲い、SVOCを単語の下に書き、一文を精読する。(高3でこんなことしていては間に合わない。偏差値65以上の高校の生徒は、既に頭の中でやっていること)
この形容詞はこの名詞に掛かるなど理解しながら精読する。
精読の中で、わからない単語・熟語を調べる。
辞書を一度引いて、その単語が重要単語(太字)なら、名詞形、形容詞形、副詞形、動詞、熟語、構文など拾い上げてボキャブラリーを増やす。一度引いたのにその単語一語で意味一つだけで終わらせない。これをしないから、ムダな受験単語帳を一から暗記しないといけなくなる。時間の無駄遣い!
(英単語や熟語は中学で既に1600程度を学んでいます。高校では1800程度、教科書で学んでいきます。それに違う品詞の単語や熟語を覚えれば軽く5000を超えて行きます。ということは「ターゲット1900」のように1900の単語など、すぐに覚えてしまいますので、しっかりと 教科書を使って調べて覚えていきましょう)
一ブロック(Lesson〇)を読み終えたら、和訳を頭で考える。つまり、英語の直訳を更にわかりやすい日本語に変換するということ。日本語の文章として、他人が読んでおかしくない文章に置き換える。
(この部分も現代文の要約と同じ。せっかく単語の意味や熟語の意味、構文も全てわかったのに、採点者が読みやすい字、誤字脱字なく、わかりやすい日本語で書いてなければ、満点をもらえません。減点され減点され結局が数点しかないという悲惨な答案になりますよ。
合格できるだろうと思われても、結局2次試験で落ちるような人は上記のような理由で、わかっていても採点者が 読みやすい答案をかけず点数はもらえていないんです)
その変換後の読みやすい日本語を「和訳」としてノートに書いていく。
教科書ガイドで和訳を確認し添削して、間違いを正す。
和訳が終わったら、その和訳を見ながら、今度は英訳する。英語に戻す。
勉強して間もない英文を手書きすることで、英作文の練習をしておく。
大学の2次試験でスペルミス、時制ミス、複数形など単純ミスをして減点されないようにするため、必ず手書きをする。
(この英作文の手書きも同じです。せっかく解答が分かっても、単純なミスをすることで減点され、わずか数点で落ちてしまうことになります。必ず文章は手で書くということです。そして他人に見てもらうことです。あなたが採点するのではありません)
音声データが有るのなら、耳に英語を慣らすため、必ずヒアリングしておく。
(2)古文・漢文
古文・漢文も現代文や英語と同じ勉強方法。
つまり、教科書に出ている一単元の文章を現代語訳するだけ。
訳すために、わからない単語を調べ、未然形など文法を覚えていく。
(早々に古文単語帳など買う前に、まず教科書に出ている古文単語や文法を完璧にすることです。そうすれば定期テストでも良い点取れますから)
授業に合わせて勉強して、定期テストで満点を取りに行く。
授業以外で基礎から古文・漢文を勉強するのは時間がもったいない。
(無駄な時間を省き、高校生活を楽しんで欲しい)
(3)世界史・日本史
現代文と同じ。1章または1節ぐらい読んで内容をまとめていく。
特に太字の重要用語を使って、まとめていく。
(大学の2次試験では5つぐらいのキーワードが出て、それを使って「中国 宋王朝を説明せよ」など出題される)
1章10ページ程度をノート1枚以内にまとめる。
要点を突いてうまくまとめないと、テスト前に復習しても高得点が取れない。
つまり、的外れな「まとめ」をしているということ。
的を得たまとめを習慣にすることで、勉強時間を効率的に使えるようになる。
短時間の勉強で高得点が取れるようになるということ。
(4)数学・理科
現代文の応用。
どのような事象を言っているのか?数学や理科は、「自然」科学です。
数学も理科も、単元ごとに友達に講義する。教科書も何も持たずに、5分程度で「数列とは、・・・」と説明すればいい。自分が理解していないと、友達は理解できないので理解度がすぐわかる。
数学や理科は、この「講義」をすることが重要。説明できなければ暗記しているだけ。暗記で数学・理科は解けない。「理解をしていること」が重要。
また答案の文章構成能力も重要。これも現代文の勉強で培われる能力。どのように証明するのか?ロジカルに文章を展開しないと「証明」できない。
問題文を解くための「アプローチ」を論理的に考え、計算して解いていく。
このアプローチの良し悪しが、応用問題などを解くための鍵となる。
アプローチとは、問題文を見てどのように分解して自分が解けるレベルまで落とし込むかという数学や理科で使う技術。これができないと「難しい」と感じて解けない。分解してしまえば、教科書レベルの積み重ねでかつ複雑に絡み合っているということがわかる。応用問題レベル(大学受験偏差値60前後)なら、この方法で解ける。(数学や理科が得意な友人は、このアプローチがうまい。だから、教科書レベルの知識しかなくても、問題文を上手に分解して解いてしまう。「ひたすら問題集を解く非効率さ」から開放される。)
この問題文を分解する能力も、「現代文の読解力」が大きく関係する。「この問題は、「つまり」・・・」。
4.まとめ
上記が、「現代文」重視型の勉強方法。
そもそも高校の偏差値が50台なら、高校の学習が難しく感じているはず。
それは、教科書や教科書ガイドが読みこなせていないことにある。
分厚い参考書などスイスイ読めないこと自体、現代文の勉強不足であり、弱点が「国語力(現代文)」にある。
(英語の参考書ヴィンテージ、600ページぐらいありますが何日で終わらせていますか?頭の中にちゃんと重要ポイントは記憶されてますか?圧倒的にスピードが遅いと思いますよ。
以前にも書きましたが、世界史の教科書一冊、一週間で読んで共通テスト8割以上取れるのが受験偏差値65ぐらいの方のスピードです。偏差値50台の高校生は、圧倒的に現代文の能力が足りないんです。速読ができない、ボキャブラリーが少ないので読み間違える、精読できないのでポイントを間違える、などなど圧倒的に国語の総合能力が足りてません)
そして、上記の勉強方法は、国公立大学の2次試験(個別学力試験)を意識した勉強方法。論理展開を意識した記述の仕方や、内容要約など、長い時間をかけて培っていかなければならない大学受験の基礎能力です。2次試験は、記述式なので「誤字脱字」や汚い字、書くのが遅いなどもってのほかなので、早い段階で対処しておかなければなりません。高3で焦ってもこの力を付けるのはまず無理です。
以上のように学校の授業や教科書、教材を上手に使って「無駄な」受験勉強はしないようにしましょう。その分、部活や学園祭など楽しい高校生活を送って思い出を作りましょう。
上手に学校の授業や教材を使えば大学受験の基礎力はつきます。2年生の夏休みまで頑張って、受験勉強のペースを作りましょう!
ネット上の「受験だけ」の情報に惑わされないように!
楽しい高校生活を!