1.はじめに
私のブログでは、国語の重要性を書いてきました。
理由の一つに、子どもがせっかく勉強しても、問題文を
読み間違えて答えを間違える、というケアレスミスを
無くすということがあります。
さらに、小学生の国語ができていなければ、他の科目
算数や社会、理科の教科書も「日本語」で書いてあるので、
「読みたくない」「何が書いてあるかわからない」
など「日本語力」がついていないために、結果として
「勉強嫌い」になっていくこともあります。
小学校の国語=日本語の基本中の基本、と思っていただき、
どの科目よりも親として注意して子供の勉強をみて
いただきたいと思います。
うちの子も、「国語だけは得意にする」という意気込みで
教えました。
私が子供にした教え方です。
2.一例です(ネットに落ちていた小学生の国語です)
(例題)「くらしとごみ」
わたしたちは、毎日の生活の中で、たくさんのごみを出します。
また、ごみにも、もやせるごみやもやせないごみ、かんやペットボトルなどの
ようにしげんとなるしげんごみなど、さまざまなしゅるいがあります。
今、わたしたちのまわりでは、ごみをすこしでもへらそうと、さまざまな取り組みが行われています。
たとえば、買い物をしたときにふくろをもらわなかったり、使えるものはすてずに何回も使ったり、
ごみをきちんとしゅるいべつに分けたりすることです。
これだけでも、ごみをへらすことができるのです。
大切なのは、わたしたちひとりひとりが、こみのことをしんけんに考え、へらすためにできることから
はじめることなのです。
3.私の場合
(1)まず、この文章の題名を子供に言わせます。
つまり、「くらしとごみ」。このことについて、書いてある
と意識させます。
(2)次に一文一文、単語別にでも分解していきます。
正確に読ませるためです。
子どもに、⇒以降の記号や番号を教科書に書き込ませて、
目で見てわかるようにさせると子供の理解度が
わかりますよ。
例えば、キーワードは丸で囲む、修飾語でいらないものは
( )カッコ。いくつも並列で出てきたら、番号をつける。
などなど子供とルール化すると楽しんでしてくれますよ。
「わたしたちは、毎日の生活の中で、たくさんのごみを出します。」
⇒わたしたちは、(毎日の生活の中で、たくさんの)ごみを出します。
つまり、題名が「くらしとごみ」であるため、この「ごみ」が
キーワードだということを教えます。( )内は読み飛ばしてもいいということです。つまりこの文章は、「私たちは、ごみを出します」という文章ということです。
「また、ごみにも、もやせるごみやもやせないごみ、かんやペットボトルなどのようにしげんとなるしげんごみなど、さまざまなしゅるいがあります。」
⇒また、ごみにも、①〔もやせるごみ〕や②〔もやせないごみ〕、かんやペットボトルなどのようにしげんとなる③〔しげんごみ〕など、さまざまな〔しゅるい〕があります。
2文目は、ごみには3種類ある。①②③。という文書構成を
教えます。
質問してもいいですね。「ごみは、何種類ある?」。答えられないと、文章の読み方がわかっていないですね。問題文を読み間違える原因の一つです。いくら勉強しても正しく理解していない可能性があり、勉強時間がムダになっている可能性があります。
「今、わたしたちのまわりでは、ごみをすこしでもへらそうと、さまざまな取り組みが行われています。」
⇒今、わたしたちのまわりでは、〔ごみをすこしでもへらそう〕と、さまざまな〔取り組み〕が行われています。
取組が行われていること。「どんな取り組み?」と子供に質問して「ごみを減らすため」と答えさせます。これがわからなければ、取組の言葉の意味が解っているか、取組は行動となるため「目的」がある、など教えましょう。
さらに、「さまざまな」取組み、とあるので、次の文章の質問に移ります。
「たとえば、買い物をしたときにふくろをもらわなかったり、使えるものはすてずに何回も使ったり、ごみをきちんとしゅるいべつに分けたりすることです。」
⇒たとえば、①〔買い物をしたときにふくろをもらわなかったり〕、②〔使えるものはすてずに何回も使ったり〕、
③〔ごみをきちんとしゅるいべつに分けたりする〕ことです。
「例えば何をするの?」や「さまざまな取組みとは?」と子どもに質問して、①②③を答えさせます。ここで、3つに分けて言えないということは、文書の組み立てがわかっていないということですね。①~③は並列です。
「これだけでも、ごみをへらすことができるのです。」
⇒〔これだけ〕=①~③でも、〔ごみをへらす〕ことができるのです。
「これだけ、とは?」と質問しましょう。重複しますが①~③のことです。その目的、つまり、何のためにするのか?質問してみましょう。もちろん「ごみをへらす」ためです。目的と手段の関係です。
この目的と手段の関係についても、算数で目的が「距離」を出すのに、手段である公式が理解できていないと、数字の当てはめを間違えて、時間を出し解答に書いてしまったりします。何のために解答しているのか、子どもに意識させる。問題が何を解答として求めているのか、しっかり意識させることが重要ですね。
「大切なのは、わたしたちひとりひとりが、こみのことをしんけんに考え、へらすためにできることからはじめることなのです。」
⇒【大切なのは】、わたしたちひとりひとりが、①〔ごみのことをしんけんに考え〕、②〔へらすためにできることからはじめること〕なのです。
文章の最後に、何が言いたいか、出てきますね。
「大切なのは」。この「大切なのは、何?」と質問した時に、解答が2つ出てくるか。重要ですね。
4.私がしたこと
要するに、文書を分解して理解しやすくする。一文が長いと誤解しやすくなるので、文章を分解して簡潔にする。どの言葉が、どこにかかるのか、とか、どの言葉がキーワードか、とか文章の構成を意識させる。
そうすることで、学年が上がるごとに難しくなっていく国語の文章も読めるようになると思い、子どもに教えました。
英語も同じ要領です。主語は何で、動詞は何。この文章の構成はどうなているのか、ということを教えました。そうするとはじめは何時間もかかってますが、何年もすれば慣れてきて、単語を調べるだけで文章が理解できるようになっていきます。
漢字の書き取りとかだけでは足りないですね。
算数・社会・理科・英語と始まってますから、
教科書は「日本語」で書いてあります。
とにかく「国語」が先。
日本語がわからないと他の科目を勉強したくなくなり
ますから。
5.社会人でも使える方法
これは、社会人となっても同じことです。
社内でも客先でも、文章構成を意識した説明文章やPOWER
POINTなどを作らないとなかなか理解してもらえないという
結果となります。
前にも書きましたが、国語力が無い新卒の説明文書や
資料は何が書いてあるのかわかりずらいですよ。
一流大学卒でも「よくこの文章力で○○大学受かったな」
「よくこの文章力で卒業できたな」と思いますよ。
文章が書けない=説明させても訳が分からない、ということです。
読むのも書くのも重要なのは、「文章構成」と思っています。
6.最後に
ぜひお子さんが、せっかく勉強しても点数が伸びない原因が
国語力が低いことにある、ということが無いように
しっかり小学校の国語は、親が教えましょう。
国語力があれば、算数・理科・社会・英語と教科書は
理解できます。
そして、興味を持ってくれれば、他4教科も
読み間違いのミスも減り、成績も伸びていくと思いますよ。