1、新年のご挨拶
ご愛読いただいている皆様、
明けましておめでとうございます。
今年も、私が経験してきたことを書き、
皆様のお役に立てばと思っています。
よろしくお願いいたします。
2.はじめに
2019年年末かけて、いろいろ交流会に
参加し、情報交換をしました。
その際に出た、
①外国人採用について
②同一労働同一賃金について
書きたいと思います。
結構シビアです。
新年の受かれ気分は飛びますよ。。。
3.外国人採用について
お会いした行政書士の先生や社会保険労務士の
先生とお話しした時のことです。
外国人で企業の人手不足を補う策を
政府がしていますね。
その点で、政府と外国人の認識、企業側の
認識の違いから未だミスマッチの状態が
続いているとのことです。
現場レベルでのミスマッチです。
例えば、高度人材を企業が雇おうとしても
そもそも年収面で折り合いがつかない。
日本の企業は留学生が日本の大学を卒業し
就職する場合、新卒扱いで給与20万円程度で
条件提示するらしいですが、
そもそも留学生側は大卒なら年収1~2千万円
スタートを期待しているとのことです。
つまり、留学生からすれば、日本の高度な
大学の授業を受け、日本の企業ではなく
外国の高く雇ってくれる企業へ就職するのだそうです。
この点で、そもそも年功序列賃金制度の残骸と言われる
「初任給」制度自体、制度疲労となっていて、
新卒個人別に年収が決まる、という制度にしないと
優秀な外国人留学生は、外国の企業へ行ってしまう。
この点は、次に述べる「同一労働同一賃金」にも
繋がる気がします。
4.同一労働同一賃金について
この点について、新卒は初任給20万円程度から始まり
仕事の成果で賃金が上がっていきますね。
しかし、主任クラスなら新卒と任される仕事は
部署により大して変わらない時があります。
そのような場合、主任でキャリアが3~5年あろうとも
やっていることは同じなら賃金も同程度になる
ということですね。(賞与も同額レベル)
また、製造ラインでもセル方式で仕事をしていれば、
正社員だろうが契約社員だろうが同じ仕事を
しているラインもある。
そうすると、契約社員にも賞与を払わないと同一扱いに
ならない、ということになる。
牛丼屋やラーメン屋で店長と同じ仕事をするアルバイト
に同じ賃金水準で支払うのか、賞与も支払うのか、
やっていることは変わらない。
店長が休憩中は売り上げを管理し、バイトのシフトを
組んで・・・同じ。。。。。
大企業は今年から適用されるが、中小企業の経営者の方は、
どれだけのインパクトがあるのか、わかっているのだろうか?
5.インパクト大。成果主義到来以来の大改革!
私が新卒で入社した時、「年功序列から成果主義へ」を
スローガンに人事制度の大改革が行われていました。
労働組合と会社が何度も話し合い、緊張感がありました。
それと同じ光景が広がっています。
同じ仕事なら同じ賃金です。
同じ仕事なら、アルバイトだろうが契約社員だろうが
パートタイマーだろうが、同じ扱いです。
賞与の支払いが必要になるかもしれません。
正社員の賞与額を削らないと、非正社員に支払えません。
もはや、賃金テーブルも、「主任だから○○円から△△円の間」、
という決め方ではなく、「仕事が・・・だと○○円から△△円
の間」になります。
賃金テーブルではなく、仕事別賃金表です。
そうすると正社員と非正社員の区別はいるのか?
賞与は誰に支払うのか?
退職金も非正社員に支払うのか?
そもそも会社に全員に支払える体力はあるのか?
6.来年から始まる中小企業の経営者の皆さんへ
中小企業の経営者の皆さんは、職務記述書を詳細に
作らないと、「私もこの仕事してますから○○円ください。
あと、賞与も。」と非正社員に言われかねませんよ。
職務記述書は、モデルがあっても詳細は会社別に異なります。
少しづつでも作って行かないと間に合いません。
(一職務につき、紙ファイルパンパンくらいになりますよ。
仕事によっては、キングファイルがパンパンになりましたから。
それぐらい詳細に作っています。)
請求される額は、未払い残業代レベルではありませんよ。
詳細に作らないと「基本給自体正社員と同じ」と裁判所に
言われかねませんよ。賞与まで上乗せされたら、大変な額に
なりますから。体力が無ければ、会社が飛びますよ。
中小企業の経営者の皆さんは、未払い残業代も遡りが
2年から3年になり、原則は5年ですから「未払い残業代で
倒産」が増えると弁護士の先生が言ってました。
私の記事でも書いてますが、優秀な社労士・弁護士など
専門家を雇わないと制度を詳細に作りこめませんよ。
対抗する先生ではなく、「国の政策に合わせてくれる先生」
です。
裁判ばかりしていたら、倒産します。
負け戦です。
法律がある以上、裁判所は法律に従いますから。
対抗するだけ、時間とお金の無駄です。
もう古臭くなった考えは捨て、
国の政策に合わせていく。
賢く生き抜きましょう。