coffeebreak15’s blog

今までの経験や学んだことなど、思ったことを書いていき残したいと思います。

上司の美学

1.現状
 現在、私は地方の大企業で人事部の管理職をしており、部下が今10数名
 います。
 特に一流大学を出たわけではありませんが、バブル崩壊の会社の転換期
 に必死に働き、出世できました。
  その過程で、上司としての心得を、マネジメント研修だけではなく、
 実際に業務の中での上司とのやり取りで学んだことを振り返りたいと
 思います
 (ここ数年、パワハラ上司が問題となってますよね)
 
2.過去の上司から学んだこと①
 まず第1に、管理職は、部下の責任を全て負うのが役割
  これは、マネジメント研修でも教えられます。この点を管理職となる
 人がどう解釈するかでその部署、グループの雰囲気が変わります。
 細かいことを気にする管理職だと何をするにも逐一報連相を求めます。
 当然部下は、嫌になり、上司の指示通り仕事を「こなす」状態になって
 いきます。その職場は、どんよりした雰囲気です。
 (度を過ぎると、降格の辞令が出ます。部署としての成果が上がらず、
 結局責任を取らされます)
 しかし、当の管理職からすれば、すべてが自分の責任になり、大きな失敗
 をすれば、降格。場合によっては「解雇」です。
  部下の昇進、人事考課、異動など決定権を与えられるので、解雇も
 それに見合う責任の取り方になります。
 
  私はジョブローテーションで何人かの上司に付きましたが、ある異動先
 の上司に言われたのは、「俺が責任を取るから、好きなようにやれ
 でした。仕事もわかってきたころでしたので、嬉しかったですし、
 毎週のグループミーティングでの報連相はしっかりして、後は任せて
 もらえました。そのおかげで、すぐに監督職に昇格でき仕事に自信も付き
 ました。
 
  後で知ったのですが、私の仕事が順調に進んでいたのは、その上司が
 先回りして、手を打っていてくれたようです。つまり、私の企画書が
 社内に出たら、反対するであろう役員・管理職を予測し、先に説得して
 くれていたようです。
 
  これぞ、上司。と思い、私も管理職になったらこうなろうと思いました。
 
3.絶体絶命・・・責任を取る時が来ました
  管理職になって、数年後、異動先に就いてすぐその時が来ました。
 社内に大きな影響があるミスを部下がしてしまいました。

 打合せを終えて席に戻ると、部下の一人が泣いています。
 監督者が青ざめた表情で、ちょっとよろしいでしょうか、と言い、
 応接室へ。

  〇〇してしまったようです。部署の歴史から、これは、多分、
 懲罰委員会にかけられ、(管理職である私が責任を取り)降格、場合に
 よっては解雇です。と部署歴が長い部下が教えてくれました。
 
  しかし、ここで過去に上司に言われた言葉、「俺が責任を取るから、
 好きなようにやれ」を思い出し、「わかった、俺が責任を取る。詳細が
 わからないから、一緒に来て説明してくれるか」と言いました。
  気が動転して部下の説明が頭に入ってこなかったので、説明だけして
 もらうため、付いてきてもらいました。
 
  秘書室に内線を入れ、担当役員がいて時間が取れることを確認し、
 役員室へ。担当役員は電話で楽しそうに話していました。
  電話を切ると本題へ。顔が硬直している二人を見て察知したのか、
 緊張が走ります。私と部下の説明が終わり、「すべて上司であり、管理職
 の私に責任があります」、と最後に伝えると担当役員は内線を掛けだし
 ました。

  すると全社に被害が出る前に食い止めることができ、懲罰委員会でも
 けん責、で留まりました。担当役員の仕事の勘所を抑えるのが早いのと、
 その権限の大きさ、社内の人脈の広さを見せつけられました。

  その役員は前の管理職が責任逃れをしていたのを知っているので、
 私が自分だけの責任です、と言ったのを受け入れてくださったようで、
 解雇にするのはもったいないと思い、役員自ら動き手を打ってくださった
 ようです。
 
  一応首はつながっただけではなく、逆に部署では評価が上がりました。
  前の上司が責任逃れする人で降格になり、私が異動できたので、最悪
 解雇覚悟の「全ての責任は私にあります」が部下の心に刺さったようで
 す。
 
  しかし、「全ての責任は私にあります」発言の帰り道、妻にどう言おう
 と悩みしばらく言えませんでした。
  妻は、管理職になり、年収も一気に増え勤務時間も自由ということで
 嬉しがっていましたので、わずか数年で職を失う、というのはさすがに
 話すタイミングがとても難しかったです。
 
  でも妻に話すと、責任逃れする人では無くて良かったと言ってくれま
 した。内心は懲罰委員会で結果が出るまで気が気でなかったと思いますが。
  苦労掛けてます。
 
.過去の上司から学んだこと②
 第2に、管理職は部下の出世を僻まず、道を開ける
  これは、私の今の状況です。
 
  社内でもあることなのですが、テレビドラマみたいに優秀な部下を
 蹴落とそうとする、責任を部下に押し付ける、自部署の失敗で役員に
 呼び出されると、居留守を使い、部下に役員室へ行かせる、など
 管理職としての立場を守るため、自己保身に走る人がいます。
 
  そんな管理職は、昇進して数年で降格となります。
 人事部は、部下評価を実施してますし、他部署からも情報は入ってきます。
 上述しましたが、このような管理職がいる部署は部署の成績が上がらない
 ため、責任を取らされますし、優秀な部下から部署異動願が出てきます。
  エースを抜かれたら、部署の成果は出ません。
 残念ですが降格です。もう、よっぽどのことがない限り管理職試験
 受けられません。
 
  別の記事でも書きましたが、今の部下は優秀です。何名かいます。
 管理職試験へ推薦できる部下、監督職試験に推薦できる部下、どちらも
 います。
 
  「すべては会社の発展のため」と思い、部下に道を譲ります。