coffeebreak15’s blog

今までの経験や学んだことなど、思ったことを書いていき残したいと思います。

就職活動:業界から考える

1.はじめに

 田舎の大企業で人事部の管理職を務める

 50代です。

 

 今回は、我が子が就職を考える時期に来た

 こと、社内を巡回していても子を持つ親から

 質問が多いことから、

 「就職先の業界」について書きたいと思います。

 

 今回は、資格を取るような方や公務員は

 除き「会社へ就職する」方を対象に

 書きたいと思います。

 

 まあ、結論は「大手メーカーをお薦めします」

 ですけどね。

 

 

2.産業の分類

 小中学校で習ったものです。

 

 第1次産業は、農業、林業、漁業など自然界の

 作物を作ったり、採取する産業ですね。

 

 第2次産業は、加工産業です。

 工業や建設業などです。

 

 第3次産業が、商業、金融、運輸、情報通信、

 サービス業などです。

 

 なお、現在では、第3次産業が多すぎて

 第4次産業として、情報通信、医療、

 教育サービスなどの知識集約産業が

 分類されているようです。

 

 また、第5次産業として、第1次から

 第4次を融合させた産業を分類する場合も

 あるようです。

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第1次産業



 

3.職業を考える際の定石

 商売するなら「川上で」と言われるように、

 第1次産業から考えるのが定石です。

 

 川上とは、消費者から離れているため、

 苦情対応などの対応が激減し、人件費の

 増加を防ぐことができます。

  また、素材が多いため、価格を最初に

 決められるというメリットがあります。

 

  逆にデメリットとしては、労働集約

 産業が多いため、肉体労働がメインです。

  また、自然に左右されるので、自分・

 会社ではどうしようもない点が挙げられ

 ます。

 

  例えば、農業なら農協へ作物を売って

 しまえば終わりです。

 

4.川下産業

 川下は、サービス業が多く消費者と直接

 接触する機会が多いのが特徴です。

 

 そのため、苦情処理に追われる会社も

 多く、その処理に人件費を使っています。

 

 例えば、飲食店ならお客に提供した

 飲食物にクレームが付けば、一人

 スタッフが取られてしまします。

  お昼のピークに一人取られると

 ギリギリで配置しているスタッフ数が

 減ることになり、お客の回転数が減り、

 利益が減ります。

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川下産業の飲食店



 

5.メーカーの場合

 製鉄所などのメーカーは、「素材」を

 作り売っているため、お客さんは

 完成品メーカーです。

  車で例えれば、車体の鉄板を作って

 いる新●本製●さん(N社)です。

  その鉄板を加工して車にするのが、

 ト●タ自●車さん(T社)です。

  N社さんは、お客さんがT社さんを

 始めとする完成品メーカーなので

 クレームも限定されます

  また、T社さんも販売ディーラー

 (D社)を持っているので直接消費者

 から、クレームを受けません。

 

  大変なのは、D社です。

 (土日休日は基本出勤です)

 

6.考え方

 第1次産業のように自然相手の肉体労働を

 とると、就職してもいつか現場に行くこと

 になります。

  会社員ですから、会社の指示でどこへ

 でも転属されます。

 

 第2次産業なら、客先は限定されます。

 私も営業部を経験していますが、販売会社が

 メインで、あとは、販売会社の新規開拓

 です。

  消費者一人ひとりを相手にしません。

  販売会社に、数●人分の製品を毎日おろして

 いくだけです。

  クレーム先も限定されます。

 (お客は、個人ではなく、法人がほとんどです。

 製品を1万個売っても、お客は販売会社1社

 なので、クレームが出ても対応は1社だけです。

 サービス業なら、商品を1万個売れば、クレーム

 は最大1万件! 社員一人で対応できません)

 

 また、メーカーは、製品の値段を決められ、

 売れる商品を作れば、値引きする必要もなく、

 利益は「ガバガバ」です。

 

 サービス業とは違い、土日や祝日など

 休日も確実に確保できます。

  作った商品を販売会社の倉庫において

 おいたり、自社倉庫において運送会社に

 販売会社まで休日に運んでもらえばいい。

  販売会社には、「運賃、倉庫代はいりません」

 と言いながら、もとの製品自体にその分を

 乗せた価格設定をしておけばいいだけですから。

  売れる商品を持っていれば、強気に「商売」

 できますから、「高いと言うのなら他を

 あたってください」と言えばいいだけです。

 

  まず、後日「その値段で結構です」と

 電話が来ます。

 

7.売れる商品を作れる企画力・適正価格

 メーカーなら売れる商品をまず企画できないと

 価格競争に巻き込まれます。

 

 メーカーで有名なのは「SONY」さんや、

 Iphoneの「APPLE」さんですね。

 

  消費者が欲しがる良い商品をつくりますので

 値引きする必要がない。

 

  つまり、「企画力」です。

 

 企画力のある製造メーカーへ就職すれば、

 給料も高めですし、休みもしっかりしている。

 また、メーカーなら教育制度も整っている

 会社が多いのでスキルを上げて、今の会社が

 物足りなくなったら「転職」して、自分の

 価値を上げていく手もあります。

 (「ものづくりは、人づくり」

 

 ただし、SONYさんなど有名すぎる会社は

 入社が激戦ですし、入った後も激戦です。

 

 結局出世しないと大企業へ就職した

 最大メリットの「年収が高い」に

 届きません。

 

 うちのような地方にある大都市の就活生が

 あまり狙わない、企画力があるメーカー

 を狙うのが賢い就活戦略です。

 

8.企業規模:大企業と零細企業

 従業員数数千名を抱える大企業と、

 わずか数十人しかいない零細企業でも

 違いがあります。

 

 いろいろありますが、人事部という

 視点からすれば、「人付き合いが下手な

 のに、大企業へ就職しようとする就活生」

 が問題です。

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人付き合いで仕事の進みが変わる

 

 一部署だけでもざらに数百名いますよ。

 それなのに人付き合いが出来ず、

 わざわざ隣の島の人に「メール」で

 やり取りしようとする。

  いやいや、わずか数歩の事で

 しょう?

 

 そういう人は、人間関係にやられて

 精神を病み休業しはじめ、いずれ

 退職するのが通常です。

 

 会議だけでも数十人はざら。

 人付き合いができていないと、

 質問攻めや反対意見で自分の

 企画がなかなか通りません。

 

 人付き合いで「根回し」です。

 

 自分の性格と相談して、企業規模

 考えましょう。

 

9.まとめ

 上記の通り、第2次産業がおすすめです。

 

 文系なら、

 大都市で人気の金融系やコンサル系は、

 「高いコミュニケーション能力」が

 入りますよ。

  人付き合いがよく、人脈が豊富でないと

 消費者であるお客さんが取れません。

 

  また、飲食系は利益率が低いので

 給与も対してあがらず、出世の実感が

 湧きません。

 

 第3次産業は、相当の覚悟がいります。

 どれだけ消費者のクレームに耐えられ

 ますか?精神的に強いですか?

 給料も低めです。(IT系は違いますが)

 

 理系なら、

 各部学科で就職先がほぼ決まるので

 あとは、どの会社にするか自分の

 人生プランと比較しながら決めて

 ください。

 

 理系でも、文系に混じって就活は

 できますから、上記を参考に検討して

 くださいね。

 

 就職先は、「まず川上から」考える。