1.はじめに
みなさま、お元気ですか?
新型コロナの第8波が来ましたね。
私の周りも感染者が増えてきました。
みなさま、お気を付けください。
さて、今回は「社内の人事異動」について書きたいと思います。
私は、地方の大手メーカーに勤める人事部管理職です。
2.人事会議
従業員数千人、契約社員や期間工も合わせると約1万人にもなる会社ですと、様々な方が働いています。
そのため、人事会議が設けられて、その中に報奨委員会、懲罰委員会など存在します。
報奨委員会は、会社に大きな貢献をした方に金一封や昇進昇格の決定をします。
逆に、懲罰委員会は、会社に損失を与えれば、降級降格、果ては解雇の決定をします。
特に、就業規則記載の基準では判断しきれない、微妙な方を議題にします。
「人事委員会」では、管理職の昇進昇格、降格、人事異動などの議題があります。
管理職は、年収1千万円を超えるため、実績が「特に」良い場合や「特に」悪い場合に審議されます。
数百人も管理職はいるため、成績に開きが出て、また、係長から優秀な人材が昇格試験で管理職候補に挙がってくるため、毎年審議されます。
3.優秀な人材の簡単な定義
高校生で就職をしようとしている方にもわかりやすく書きます。
私は、株式会社に勤務しているため、会社は「利益」を重視します。
すると、優秀な人材とは、次の公式に貢献できる方です。
売上① - 経費② = 利益③
いたって単純ですよね。
つまり、①の売上に貢献できる商品開発ができる。
または、営業職として自社製品を売りまくる。
など、①に貢献できる人が高く評価されます。
次に、②の経費を抑えることができる人です。
つまり、私がいる会社は「製造業」なので「コスト低減」ができる人が評価されます。
事務職ならムダな事務作業を省いて、効率的に仕事をテキパキ進められる人などが評価されます。
4.昇進昇格・栄転
就職活動をしている方なら、上記の公式の①②に自分は貢献できるか、が重要です。
自己アピールもここを外すとインパクトに欠けますよ。的を外しています。
実際に就職している方で、上記の公式の①②に貢献していれば出世していくはずです。
しかし、自分よがりな貢献程度では、中々出世しません。
よくあるのは、「俺、これだけ頑張っているのに、何で人事評価が普通なんだ!」というお問合せです。
簡単です。
あなたの貢献レベルは、「部署や会社自体を揺るがすほどのレベルではない」ということです。
「あなた自身」が頑張ったと思っているレベルということ。
会社が求めるレベルは、「もっともっと上」ということです。
これが、私の良く言う「社長が欲しい人材」ですか?ということです。
従業員数千人もいる会社なら、ちょっとやそっと頑張ったレベルでは、高い評価はされないということです。
つまり、数千人もいる会社なら、「この程度の貢献なら、給料相当」という評価です。
「部署や会社自体を揺るがすほどのレベル」であれば、まず人事委員会で欲しい人材として他部署から名前が挙がりますよ。
数百人ぐらいいる部内でも、貢献内容と名前が知られないのなら、大した貢献ではありません。
他部署から欲しい人材として名前が挙がれば、今いる部署は当然手放したくないので「異動案」に抵抗しますしね。
「部署や会社自体を揺るがすほどのレベル」の貢献を出し続けていれば、昇進昇格も早いし、部署異動も定期的に行われて行きます。
つまり、どの部署もあなたが欲しい「栄転」です。
5.降級降格・・・
逆に、会社に貢献できなければ、どこにも声がかからないから異動しない。
仕方が無いので、人事部から異動案を出して、活かせそうな部署にお願いして引き取ってもらう。
以前に書いたように、異動先でも結果が出せず、また異動。そのうち、「不要人材」と社内でレッテルを貼られて、どこも引き取ってくれなくなる。
そうすると、降級降格、ついには、契約社員へ変更。そして、業績不振で就業規則に則り「解雇」になります。
6.まとめ
就職活動を始める大学生などは、よく上記を理解し、自分で社交性の高さを見極めたり、事務処理の速さを見極めたりと自己分析をしてください。
自己分析を間違えて大手企業や一流企業へ就職すれば、従業員数は数千人、数万人です。
その人たちと連携して結果を出すので、「一人で○○する」ひとは、その雰囲気についていけません。
小学生から大学生に至るまで、人脈が少なかったり、集団スポーツなどで人と○○することが少ないと、人のペースに合わせて仕事をすすめることができないことが多いのです。
入社すれば、まずは主任や係長クラスの指示、仕事のペースに合わせないといけないので、普通は早いですからね。
それは、上記3で書いた通り、事務処理速度を上げて、処理量を増やす必要があるからです(コスト低減。例:10人分の仕事を9人でする)。
そのために、業務カイゼンを毎月のように行い、要らない仕事はやめる、この仕事は分割して担当割をする、この部分は他部署にお願いするなど決めていく。
その他人や他部署へのお願いが通せなければ、自分で抱えることになるので処理時間が減らない。
しかし、そんなことはお構いなしに次から次へ仕事は来るので、どうにかして作業効率を上げないと納期に間に合わなくなり、評価が下がっていくということです。
この「仕事の割り振り」や「お願い」は、自分で起案してチーム内や上司に了承してもらうので、結局は自分で他人や他部署にお願いしに行くのです。
当たり前ですが、「自分の受け持つ仕事」ですからね。
社交性が低い人や人付き合いが悪い人は、これでお願いをしきれずに自分で抱え込み限界がきて、鬱になったり、辞めたりします。
しかし、この点は「自分ですること」(つまり、あなた自身の仕事)なので上司も同僚も手を出しませんからね。同僚や上司も忙しいので。
このような新人に対して、社交性が高く人付き合いが良いと、「以前飲み会に同席した人事部の△△です。ちょっとお願い事があるのですが時間頂けますか?」と他部署の課長クラスに内線できます。
すると、「おう、久しぶりだな。うちの○○の同期だったな。一応話は聞くから、◎時においで」と好意的にまずは話は聞いてくれます。
最初の入りが違いますよね。
そして、お願いするとき当然その部署も忙しいので、「人事の方で○○を代わりにしてもらえないか?」など言われることもあります。
そうすれば、自分の仕事をすすめないといけないので、人事部に戻って○○課長に話をして受けてもらうようお願いする。
このときも、部内の付き合いが悪いと、「うちも忙しいから、できない」と断られます。
そもそも、定時が来れば「お手伝いすることありませんか?」と声もかけずに帰るような人だと、あなたが困っていても誰も助けませんからね。
みなさん、忙しい中、助けてくれるので。
社会人になる前に、こういう周りへの気遣いができるように、集団スポーツに入るなど「みんなで○○する」ことに慣れておかないと孤立していきますよ。
今回は、「社内の人事異動」をもとに、社内ではどういう人が評価されているのかを書いてみました。
会社ごとに多少の違いはあるので、ご参考にどうぞ!
(都会の大学から田舎の大企業へ戻ろうとする方へのアドバイス)
私の勤めている会社は、地方の田舎にあります。そのため、都会とは違い「人付き合い」を大事にしています。
近隣の メーカーさんとの人事交流会など 一年に数回行われますが、その際に出てくる定番が、社交性がないのになんで数千人もいる田舎メーカーに就職したがるんだろう?という新卒への悩みです。
田舎のメーカーは、田舎者がたくさんいるので 社内の雰囲気は 人と人とのつながりを大事にする 昔ながらの雰囲気です。電子メールで退職します、とさらりとする都会の会社とは違います。
人と人とのつながりが重要な、田舎の大手企業になぜ就職したいんですかね?
うちの会社で言えば、新人一年目はとにかく数百人いる部署内の人達に、名前と顔を覚えてもらうために積極的に自分から声かけすることから始めます。 新入社員研修でも、くどいほど言います。仕事ではないのですが、円滑に仕事を進めるため必須です。
昼飯を一緒に食べる、行き帰りの公共交通機関を使うなら、知ってる人(特に管理職)を見つけたら話しかける。とにかく距離感を詰める。
飲み会の話を聞いたら、積極的に出席して自分を知ってもらう。
同じようなことは、大学卒なら社内に同窓会があるので、その飲み会やイベント、バーベキュー大会、小旅行などに参加する。 2年目ぐらいからは、同窓会の担当として事務局の一人にしてもらう。
また、工場がいくつもあり部活も色々あるので、自分の趣味の部活に積極的に参加して、いろんな人に顔と名前を覚えてもらう。
そこでも、バーベキュー大会や飲み会や小旅行に積極的に参加して、自分はどういう人かを売り込んでいく。
そういう活動が積極的にできないのに、なぜ田舎の大手メーカーに入ろうとするのか?不思議でしょうがない。
都会の大学から、田舎に戻ってくる人は注意してくださいね。
田舎もんは対面です!
ショートメールで来ても、スルーするぐらいの社内雰囲気ですよ。
話があるなら部署まで来て膝を突き合わせて話をするんです。
表情や雰囲気を読み取りながら、交渉するんです。
それが出来ないのなら、田舎の大企業はやめといたほうが良いと思います。
またコロナか~。インフルエンザも流行り出すとラインがうまく稼働しない・・・(現場応援か~)